自分がゲイだと自任したときに、次のステップとして同じような境遇の人と出会いたいという気持ちにかられると思います。
出会うための手段で身近なのは、スマホを利用した出会い系のサイトやアプリですが、どうしても性行為を伴う出会いである可能性が高いのが実情です。知識経験が拙いまま利用してしまうと、意にそぐわない性行為を求められ相手のペースに流されてしまったり、いきなり性病をうつされてしまったりするリスクも少なくありません。
もちろん勢いや思い切りも出会いには大切な要素ですが、後で後悔はしないようにしたいものです。
そこで今回は初めての出会いで安心して友達作りや情報収集を始めたい人にオススメな3つの方法ご紹介します。
その1:非営利団体などが運営するLGBT向けのコミュニティやイベントに参加してみる
東京や大阪などの大きな都市にはなりますが、HIVなどの性病の予防を目的としたLGBT向け(特にゲイ)の非営利団体(NPO法人など)が存在します。これらの団体はコンドームを使用したセーファーセックスによる性病予防の啓蒙活動のほか、様々な情報交流の場としてコミュニティスペースを設置していることが多く、ゲイに関する基本的知識の提供やテーマ別のイベントの開催なども行っています。
なぜこれらの非営利団体が比較的安全かというと、その多くが公的機関(国の省庁や自治体など)から支援を受けて運営しているためです。公的機関の支援を受けるためには、適切な運営と実績が求められるため他の店舗と比べても公共性が高いのです。
コミュニティスペースでは交流会やイベントも定期的に開催されていて、初めての人でも気軽に参加できる仕組みが整っています。もし真面目に情報収集をしたい場合はコミュニスペースを訪問したり、イベントに参加してみたりすると基本的な情報収集から友達作りのきっかけまで作ることが出来ますよ。
コミュニスペースを運営している5団体
参考までにゲイ向けの非営利団体で運営しているコミュニスペースをご紹介します。主にHIV/AIDSの予防・啓発を目的にした団体が運営していて、性病とは縁のないゲイでも気軽に入室できます。
- 【宮城/仙台】community center ZEL(外部サイト)
公益財団法人エイズ予防財団が運営しているゲイ・バイセクシャルの男性専用のコミュニスペースです。HIV/AIDSの情報をはじめ、ゲイタウン情報、イベント情報、サークル情報などを発信しています。 - 【東京/新宿】 コミュニティセンターakta
HIV/AIDSをはじめとした様々な性病予防の啓発および支援を行っている 特定非営利活動法人 aktaが運営しているコミュニスペースです。営業時間内であれば誰でも気軽に入ってくつろいだり情報収集したりすることができます。 →公式HPはこちら - 【神奈川/横浜】 SHIPにじいろキャビン(外部サイト)
性的マイノリティやその家族の支援を行う 特定非営利活動法人 SHIP が運営しているコミュニティスペースです。マンションの1室にスペースが設けられていて、だれでも気軽に入ることができます。来場は学生無料で社会人は300円の寄付が必要です(2020年6月時点)。 →公式HPはこちら - 【愛知/名古屋】コミュニティセンターrise(外部サイト)
ゲイ・バイ男性向けにHIV・AIDSの予防啓発に取り組む団体ANGEL LIFE NAGOYA が運営しているコミュニスペース。啓発以外にも友達作りのイベントJOINTや、コミュニティーペーパーhanaなどを刊行しています。 - 【大阪/梅田】コミュニティセンターdista
性病などの予防を目的とした任意団体 MASH大阪 が運営しているコミュニスペースです。初めての人はスタッフが室内を紹介してくれるので、初めてでも安心できますよ。 →団体の公式HPはこちら - 【福岡/博多】HACO(外部サイト)
認定NPO法人魅惑的倶楽部が運営しているコミュニスペースです。ゲイやバイセクシャルをはじめとしたセクシャルマイノリティが自由に入ることが出来ます。 →団体の公式HPはこちら
このほかにも、不定期で活動する団体や目的別に特化した団体(ゲイのライフプランニングや就職活動、中高生への教育活動など)などが存在します。一方で財源や人材の関係などから活動を休止している場合もあるため、色々探してアプローチしてみると良いでしょう。
その2:大学や社会人向けのゲイサークルに参加してみる
ゲイサークルと呼ばれる自分の好きな趣味で集まるサークルが多数存在します。ゲイサークルの中には社会人が多いサークルや、主に大学内で活動しているサークルもあります。特に学生向けゲイサークルは同年代の同じ性的嗜好の人が集まり、大学デビューの初心者も多いため気軽に参加することができます。友達として大学近くでランチをしたり旅行したりすることを通じて、様々な情報や出会いを楽しめます。
一方で個人が自主的に運営しているため、主催者が諸事情で活動しなくなると幽霊サークルになることもしばしば。特に学生サークルは進学や就職でメンバーが入れ替わる頻度が高く、新しいゲイサークルが立ち上がったり立ち消えたりする頻度も高めです。
基本は「ゲイサークル」「住んでいる地域や大学名」「スポーツや料理などの趣味」をネットで検索すれば見つかりやすいので、サークルのHPやTwitterから問い合わせする方法が一般的です。
(参考)JOOINTに登録されている「 運動・趣味・サークル 」
その3:番外編 思い切ってゲイバーに入店してみる
以外かもしれませんが、ゲイバーも初めてゲイと知り合うにはおススメの場所です。どんな人がいるのか不安も多いと思いますが 「初めてのゲイバーなんですが」と言えば大丈夫。 スタッフは接客のプロなので丁寧に対応してくれることが多いです。冗談ぽくハグやお触りはしてくる場合はあるものの、性行為などはまずありえません(酔った勢いやイベントなど例外もありますが、基本は店主が諫めてくれます)。加えてとなり同士で知らない人でも、スタッフを通じて紹介してくれることが多いので、知り合いを広げることが出来るのもゲイバーの魅力の一つです。
参考までにJOOINT編集部が取材した中で、初心者にもおすすめなゲイバーをいくつか紹介してみましょう。
初心者にも入りやすいゲイバー9店舗(全国8か所)
- 【北海道/すすきの】OPPOSITE
まったりとした雰囲気のゲイバーです。ゲイバーの集まる「すすきの」のSAビルの1Fにあって、スタッフも店主ものんびりとお店を営んでいます。 - 【新潟】JAJA
市内で20年以上愛されているゲイバー。ベテランのスタッフさんが初心者の人にも優しく応対してくれます。週末は午後カフェをオープンしていて気楽に遊びに行けるのも特色の一つです。 - 【東京/新宿】ISLANDS
新宿2丁目へは行く勇気が出ない人でもご安心。新宿3丁目にお店を構えるゲイバーでで、ゲイバーのデビューがこのお店だという人も多いです。 - 【東京/上野】Synapse
上野と言えば「フケ専」や「桶専」など、年配が好きな人が集まるというイメージが多いですが、このお店は初心者や若い人向けをコンセプトにしたバーで気軽に楽しむことができます。 - 【名古屋/栄】King DIAMOND
20代30代が集まるゲイバー。スタッフ数が多めで、ゲイバーが初めての人にもお客さんにに合わせた対応してくれるのが定評のお店です。なので初めてお店に入ったら、勇気を出して「ゲイバー初めてです」と伝えましょう。 - 【大阪/梅田】 PUMPUP BAR
クラブスタイルのゲイバーで、初心者でも気軽に入店できるのが魅力です。GOGOボーイのイベントもあって、リアルならでは経験ができますよ。 - 【高知】アーモンド
市内にあるシックな雰囲気のバー。もし初めてで人見知りがあるなら混雑しない平日に訪れると店主とゆっくり情報交換ができたりします。 - 【福岡/博多】BAR OVERALL
博多のゲイエリア「住吉」の入口にあるゲイバーです。若いスタッフが多く料金設定も良心的で、初めてゲイバーに行く人にもおススメです。 - 【鹿児島】BUZZ-R
鹿児島市内にあるゲイバー。20代30代が中心のゲイバーで1人で訪れる人も多く、カウンター席は出会いや友達作りの場にもなっています。
もし、出会いを求めないで雰囲気だけ楽しむ分にはゲイカフェなどもおススメです。いろいろ経験して回り道をしてみてから、新たな出会いのステップに進むのも良い方法だと思います。
おわりに
今回は少し真面目な話になってしまいましたが正直、出会いの仕方は人それぞれ、千差万別です。いきなりエッチから入って始まる恋愛もあれば、友達から始まって生涯よりそうパートナーへ関係を築いていくステップも素敵だと感じます。べったりイチャイチャしているパートナーもいれば、ほどほどの浮気をするけどお互い仲良しな関係もありえるでしょう。大切なのは自分自身がどんな出会いや生活を求めているのかを明確にしてみること。明確にするためには基本的な予備知識があると、より判断しやすくなります(例えば性病はイヤとか、趣味が一緒のほうが仲良くなれそうとか)。そして実際に出会ってみて、相手との交流を通じながら自分の理想のゲイライフをより明確にしていければ、より自分にとっての幸せを見つけられるはずです。
ネットや本で情報を得ながら、少しずつでもリアルな場所で情報を得てみてみると、もっと素敵な出会いや一生涯の友達が見つけらる可能性が広がりますよ。
最後に、見つけたパートナー関係を続けていくならある程度の理想と妥協のバランスも大切です。理想を追いすぎると「そんな理想の人は現実世界には存在しない」ということにもなりますから。